60種類以上の鍼で難病に挑む

他の鍼灸院に一度でも行ったことがある人はこんなに鍼の種類が多いのにビックリされます。

当院では日本にある全ての鍼を用意しています。 その数はなんと60種類以上にも及ぶのです


鍼の種類が何故これだけ必要かと言いますと「凝り」には重症度があるからなのです。

「凝り」の重症度は老廃物の量で決まる。


筋組織の「凝り」には実は重症度があります。

「凝り」の重症度を決定するものは老廃物の量です。

実際には老廃物がどれくらい筋肉中に溜まっているかは量る技術がありませんので具体的な数値としては表せません。

しかし長年の実践体験の中からある程度の重症度は分かります。


凝りは重症になればなるほど硬くなり、体の深くに沈み込んで行くのです。


一見老廃物の量が多ければ「凝り」は大きくなると思われがちですが、症状の進行と共に「凝り」は硬く、収縮して小さくなり密度が高くなるのです。

さらに新しい老廃物が上からどんどんと溜まっていきますので初期のコリは体内深くに沈んでいくのです。

まるで地層のように古い老廃物は体内深くに入っていくのです。

こうなりますと鍼の感覚はどんどん鈍くなっていきます。


重症な「凝り」ほど鍼の痛みを感じない


老廃物は多くなると神経の伝達も阻害しますので鍼の痛みを感じにくくなります。

ひどくなると太い鍼でさえも痛みを一切感じない患者さんもいるくらいです。

逆に 「凝り」の初期の時は腫れぼったい感じで柔らかく、比較的皮膚表面の近くにあり、広い範囲に留まっています。

そして感覚はするどいままなので鍼の痛みを強く感じます。


「凝り」の初期症状ですと、シップ、電気治療、温泉、簡単なマッサージなどで効いてくるのですが、それらの表面的な治療で改善しない人は「凝り」が重症で慢性状態になっていると思われます。


患者さんの重症度に合わせた鍼の刺激が必要となる

患者さんの重症度に合わせた鍼の刺激が必要となります。

適度な痛み刺激が凝りを改善するのです。

しかしこの適度な刺激量が一番難しく、永遠のテーマなのです。

これには4つのファクターがあります。

1.どの太さの鍼を使用するのか?
2.何本くらい刺すのか?
3.どれくらい深く刺すのか?
4.どのくらいの時間をかけるのか?


これらは患者さんと二人三脚で聞きながら治療するのです。

以前は耐えられるのならば太い鍼を深く差したほうが良いと思い、患者さんの満足感が得られるまで太くて深く刺したのです。

しかし、最近の研究ではギリギリまで鍼を打つと体がかえって緊張してしまい、血管を収縮させて血流が悪くなることが分かってきました。


少し弱めでリラックスして治療が受けられる鍼が良い。


しかしながら患者さん一人ひとり全員が違いますし、同じ患者さんでも日によって変わってきます。

これには決まった治療方法を確立するのではなくその日の患者さんのあるがままを診て治療することが大事になってきます。

だからこそ、より多くの種類の鍼が打てないといけないこととなるのです。


更に治療効果を高める重要なファクターがあります。

ここで東洋医学でいうところの「経穴(ツボ)」という概念が必要となってきます。

鍼の刺激はどこにでも打っても効くというわけではありません。

的確な「経穴(ツボ)」に当てなければ効果がありません。



「経穴(ツボ)」とは老廃物が溜まりやすい箇所の事です


体の中で特に老廃物が溜まって「凝り」やすくなる場所があるのです。

それを昔から「経穴(ツボ)」と言って体中に指し示したのです。

そこに鍼の刺激を加えると老廃物が排出しやすくなるのです。

「経穴(ツボ)」は決まった位置があるわけではなく、人によっても違いますし、同じ人でも体調により変わってきます。
本などにある「経穴(ツボ)」の位置はあくまでも参考程度にして患者さんごとの「経穴(ツボ)」を見つけていく必要があるのです。



患者さんの症状に合わせて的確なツボに的確な刺激を与えられるかが重要なのです。

 

患者さんから見れば我々鍼灸師はどれも同じに映って、鍼治療は効くと思っているかと思われます。

ところが現実はそうではありません。

我々は西洋医学のように薬で病気を治しているわけではありません。

薬ならどの医師に処方されても効果は同じですが鍼灸師はそうはいきません。

鍼一本で物理的な適度な刺激を的確な経穴(ツボ)に与えているだけなのでまさに職人技なのです。


より多くの鍼を使いこなし、長年の臨床経験があり、常に研究を怠らない人が腕の良い鍼灸師と言えるのです。